Honda製ハイホイールという題材から

300ccユニットの素性を探る

 

Long Interview

高性能ハイホイールSH300i

 

オーナー&車両紹介編

Buono編集部:写真・文
photo & text by Buono editing unit

 

 

スタイリッシュで走りも良く、欧州でのヒットモデルへと成長したSH300i。この人気絶頂のハイホイール車には100ps/Lといったハイパワーユニットが搭載され、その走りも気になるところ。そこで数少ない国内でのオーナーさんにお願いし、購入の経緯から維持に関することまで包み隠さずお聞きしたロングインタビューが実現。Buonoによるインプレッションまで含め、SHシリーズのフラッグシップを徹底紹介!

■オーナー紹介

鉄火丼ブレードさん(38歳/東京都/会社員) ※2013年3月現在
FES150 -Pantheon-(2003年)という国内では非常に珍しいモデルから、これまたレア度の極めて高いSH300i -Scoopy-(2008年)へとスイッチして現在も快適な移動ツールとして愛用中。SHの魅力や楽しさを「乗りやすいスクーターはいくつもありますが、ホンダ製ハイホイールスクーターというのが最大の魅力でしょう」と言い、余計な装備を廃しているからこそスクーター本来のイージーライディングを楽しめるとも。また苦労した点について訊ねると「一通りSHまでのホンダ海外製スクーター(バイク含む)で苦労していますから、特にはありません。ただ2012年1月につねに道標となってくれたショップの店主が急逝してしまい、保守店移管で苦労しました」とのこと。その他、細かなところを日本製のモノに換装しているが、このことは鉄火丼ブレードさんのネットワークにより国内メーカー数社(ブリヂストン、ベスラ、タクマイン)が協力して実現しているそうだ。

納車4日前画像/2008.12.12
納車4日前画像/2008.12.12
納車3日前、各種パーツを組み込み中/2008.12.13
納車3日前、各種パーツを組み込み中/2008.12.13
2003.07.28に乗り出し、5年半乗ったFES150-Pantheon-(03)。当時、国内最初の1台
2003.07.28に乗り出し、5年半乗ったFES150-Pantheon-(03)。当時、国内最初の1台
納車時の画像。けっきょくFES150-Pantheon-には3万3000km乗車/2008.12.16
納車時の画像。けっきょくFES150-Pantheon-には3万3000km乗車/2008.12.16

■車両紹介

ハイホイールの証である16インチキャストホイールには、ブリヂストン・HOOPを組み合わせている。このスタイリッシュで細身のキャストホイールは、前後共にグリメカ製の6本スポークタイプだ。

前方の絞られたシートは足つきもまずまずで、アップライトな乗車姿勢を保ちやすく見通

しもいいもの。肉厚と硬さもバランスがよく、後部座席との間にある段付がバックレスト代わりにもなるので自然に腰をホールドできる。
マフラーは消音効果も高く、250ccクラスと錯覚してしまうほどの音量に抑えられ音質もマイルド。
ボディ同色のほうが好みということで、可倒式タ

ンデムステップとグラブバーを過去に設定のあったスポーティグレードのものに変更。
前後ウインカー、ポジション&テール/ブレーキなどの灯火類をすべてLEDに変更済み。ちなみにLEDはソケット形状の違いから市販品が使えず、すべてをワンオフで製作したという。
ほかにもGIVI製スクリーン、ビチューボ・SCOOT DUAL、ADVANCED HIDなどを装備。

【主要諸元】

SH300i-Scoopy-(約120万円/諸費用込み)

 

◎メーカー:Honda Italia Industriale S.p.A.(2008年当時)
◎生産工場:ATESSA(2008年当時)
◎型式名:NF02
◎年式:2008
◎全長×全幅×全高:2,096mm×730mm×1,187mm(スクリーン含まず)
◎軸距:1,430mm
◎シート高:785mm
◎最低地上高:136mm
◎車両重量:169kg
◎乗車定員:2名
◎燃料消費率:30.3km/L
◎エンジン:水冷4ストロークOHC4バルブ単気筒
◎総排気量:279cm3(cc)
◎内径×行程:72.0mm×68.5mm
◎圧縮比:10.5
◎最高出力(*1):20kW[27.2PS]/8,500rpm
◎最大トルク(*2):26.5Nm[2.7kgf-m]/6,000rpm
◎燃料供給装置形式:電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)>
◎始動方式:セルフ式
◎燃料タンク容量:9.1L
◎変速機形式:無段変速式(Vマチック)
◎フレームタイプ:アンダーボーン
◎キャスター角:27° 30'
◎タイヤサイズ(F/R):110/70-16/130/70R-16
◎ブレーキ形式(F/R):油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク
◎懸架方式(F/R):テレスコピック式/ユニットスイング式
◎サスストローク(F/R):102mm/95mm
◎ヘッドランプバルブ種類(*3)/ヘッドランプ:60/55Wハロゲンバルブ/マルチリフレクタータイプ
※2008年型の主要諸元から抜粋
※*1/*2/*3は変更のアナウンスがなく、2013年型を流用掲載
※オーナーとホンダキャピタルオートによる資料提供

 

【オーナー変更箇所】

 

◎ブレーキパッド(F/R):Vesrah・VD-172/SJL/Vesrah・VD-173/SJL
◎冷却関係:PLOT(Cool Tech S)
◎エンジンオイル:Tac☆Main-匠-(冬期:10w-30/夏期:10w-40)
◎エステル添加剤:Tac☆Main-エステルン-
◎オイルフィルター:Vesrah(SF-4007)
◎ギアオイル:Honda(ULTRA S9/10w-30)+PaPa(Super ZOIL)
◎タイヤ(F/R):BRIGESTONE・HOOP B03G/BRIGESTONE・HOOP 02G
◎ヘッドライトバルブ:ADVANCED H.I.D.(H4[Hi/Low]/4300k)
◎ウインカーバルブ:M&Hマツシマ(LEDウィンカーバルブ)
◎トップボックス:EU Honda純正TOP BOX(08L55KTW850B)
◎ETC:日本無線(JRC/先行試験型ETCユニット・JRM-10)
◎その他:Sporty用タンデムステップカバー(純正)/リアキャリア(純正)/Givi(スクリーン/307A+A307A/ほかにAF308あり)/Honda Access(デジタルグリップヒーター/全周巻タイプ)/音海屋・家紋ステッカー(丸に揚羽蝶/平家の血筋が理由)

取扱説明書、サービスマニュアル、パーツリスト、カタログ。取説は英語表記ではないのでわかりづらい。パーツリストとサービスマニュアルは入手もなかなか困難だが、部品発注や整備に欠かせないのでぜひとも手に入れておきたいところ。カタログは自分の愛車について欲しいと願う人もいるだろうが、残念ながら単体のカタログは用意されていないようであるとのこと。おそらく観賞用としての意味はあまりなく、比較資料としての意味合いが強いのではないだろうか
取扱説明書、サービスマニュアル、パーツリスト、カタログ。取説は英語表記ではないのでわかりづらい。パーツリストとサービスマニュアルは入手もなかなか困難だが、部品発注や整備に欠かせないのでぜひとも手に入れておきたいところ。カタログは自分の愛車について欲しいと願う人もいるだろうが、残念ながら単体のカタログは用意されていないようであるとのこと。おそらく観賞用としての意味はあまりなく、比較資料としての意味合いが強いのではないだろうか