Showdown at the summit
カステラ頂上決戦
差し入れでカステラをいただいた。
そのカステラでちょっと思い出したのが、プライベートで長崎を旅したときに個人的な趣味"丸出し"の変わり種インプレをやったなぁってこと。
それがなにかと言うと、ずばりカステラだ。
そこで少しばかり整理して、Buonoでもお披露目しておくことにする。
写真・文:Buono編集部
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プライベートで長崎を旅したのは、もう何年も前のことになる。
そして長崎といえばカステラ。
少なくとも自分ではそのように思っていて、このとき3軒の老舗のカステラを試食。
その結果、同率1位を確信した気でいた……。
長崎市街に到着した初日、真っ先に向かったのが「福砂屋」だった。
「福砂屋」は東京の百貨店などでも購入可能で「一番美味いカステラはここしかないだろ!」……くらいに思っていたから。
訪問した福砂屋本店に試食というサービスはなかったが、一番美味いと信じていたカステラなので、なにも迷うことなく旅の土産としてオフィス(当時所属していた編集部)に発送手続きを取った。
ちなみに後日談だがオフィスに届いた福砂屋本店のカステラを切り分けて食べてみたところ、やはりシットリとドッシリの同居した食感が楽しめ、口の中に広がるその上品で確かな美味しさはやはり風格を感じさせるに十分なものだった。
つぎに向かったのが「岩永梅寿軒」だ。ここは1日あたり40本限定(当時の話で現在は未調査)との情報だったため、「なければあきらめるつもりで寄ってみよう」くらいの気持ち……だったのだが寄ってみて大正解であった。
逆に寄らなければ相当後悔したに違いない。
「岩永梅寿軒」では試食用のものが用意されていて、すぐさま試食を勧められた。
当然食べてみる……え゛!?
美味い!
恐ろしいほどに美味すぎる。
試食用として食べやすいサイズに切り分けられ、乾燥も進んでいるであろうその状態でなおシットリとしているし、なにより超濃厚な卵黄をこれでもかというくらい使ってます的な豊潤さ!
……迷わず注文したのは言うまでもない。
数日後に焼き上がる予定の1本を、自宅に直送してもらうよう手配を終え「岩永梅寿軒」を後にする。
正直、内心かなりの満足感に満ちていた。
一夜明けた翌日、市内観光のため路面電車にて移動を開始。
その移動中の路面電車内でコマーシャルされていた「長崎堂」に思わず反応。
なんでも「○○○品評会で1位受賞」みたいに聞こえたのだ。
これは黙っていられるワケもなく、「長崎堂」に必ず立ち寄ることをその場で決意。
そしてお店に到着すると早々に試食を勧められるが、これはかなり効く。
「買って行かなきゃ」という気分になってしまう。
で、お味の方はというと……期待を裏切らず!
つまり美味!!
シットリ感は少々弱いが、濃厚でややドッシリめな食感は「福砂屋」と「岩永梅寿軒」の中間といったところ。
「長崎堂」侮れず。
細身の1本を土産として買ってしまった。
……とまあ、この段階では新たに発見した2軒の老舗を交え、カステラ対決は同率で1位という、ある意味差し障りのない、しかし3種類の美味しいカステラから選ぶ楽しみというものがあった。
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さて、話を元に戻すことにしよう。 タイトルとなっている「カステラ頂上決戦!?」についてだが、勘のいい人ならすでに察しもついていることと思う。
気になる老舗3軒(福砂屋 、岩永梅寿軒 、長崎堂 )のカステラを改めて食べ比べ、その結果を順位付けしてしまおうという、なんとも勝手極まりない独自企画のことなのだ!
……とはいえ東京に戻ってから3種類のカステラを改めて食べなおしたことで、現地では同率1位くらいの感触で済ませていた自分の判断とはうらはらに、それぞれ鮮明な差となって違いが見えてきた。
ただし厳密には3種を並べて一気に行った食べ比べではないことと、あくまで個人の主観的判断によるものであることをご理解いただきたい。
オフィスに送付した関係で、福砂屋本店のカステラはオフィスでの試食となった。
福砂屋本店のカステラはずっと好きだったものだけに安心感も手伝い、やはり一番はコレか?
……などという考えが頭をよぎる。キメも細かくシットリ感も申し分のないものだし、なによりドッシリとしたボリューム感がとても好印象。
正直、この段階では安定の美味しさを実感。
つぎに試したのが長崎堂のカステラ。
一口目に感じた「とても濃厚な味わい」というのが長崎堂の印象。
キメとドッシリ加減は福砂屋に分があると感じられたが、シットリさと濃厚な味わいを楽しめる点は上をいくかもしれないと思えた。
ただわざわざ長崎に出かけてまでゲットしたいほどではないし、東京で気軽に買える店舗がないところが弱い。
話のタネ的に通販を依頼することがたまにあるかもといったところだろうか……。
福砂屋本店の分が悪くなってきた瞬間だ
最後は岩永梅寿軒の長崎カステラ。
毎日40本限定という幻級のカステラだが、ふくらむ期待を裏切らない確かな味わいが◎だ。
くどくならないギリギリのラインまで濃厚な味わいに、キメの粗さが逆に軽い食感をもたらしてくれ、口中にまったく嫌味のない旨味だけを残してくれる。
そのことを再確認した瞬間、岩永梅寿軒が自分の中で文句なくナンバー1となった。
しかし1位と2位には買いに行けないもどかしさがあるし、買える喜びのある3位との差は僅差でしかなかったことも事実。
手に入れ難いことが前提の2種に対するひいき目がなかったとは決して言い切れない。
さて、これからはどのカステラを選ぶのがいいのだろうか……。
※編集部注)過去記事のリライトにつき、限定数量や東京での購買情報などが古い点はご了承ください