APS(アドバンスト・フォト・システム)カメラ

 

Leica C11/使い方 その3

 

 

 

まあ、ともあれブログやSNSなどへのUPにはデジタルのほうが都合もいい。
なにかと便利で使いやすいデジタルのよさもわかる。
だからちょっと手間のかかる新しいホビー……そのくらいの気持ちで、気負わず気軽に遊んでもらえたらいいんじゃないかと思うのである。

しかも現在は人気もないフィルムカメラだけに、世界の一流ブランドだって少し前からは想像もできないほどリーズナブルに入手が可能。
これってちょっと嬉しい。
やはり一流品を手にするということは、そのメーカーやブランド、そして製品そのもののヒストリーまで手に入れるということにほかならない。
そんなプラスαにも興味を持てたり、そして価値が見出せる人だったらきっと楽しめるのがフィルムカメラなのだと思う。

 

◎取り扱いに関して(後編)

 

CHPセレクターは写真の縦横比をコントロールでき、C(クラシック)は35mmフィルムと同様の縦2:横3、H(ハイビジョン)は縦9:横16、P(パノラマ)は縦1:横3となる

近距離補正マーク付実像ファインダーは、CHPセレクターと連動した3種類のフレームを用意。なおファインダー右脇にある緑のLEDにより、合焦と露出不足を警告

上面右にあるのがシャッターボタン。ファインダー右脇の緑のLEDと連動させるようなシャッター半押しなどの設定があるのかは不明。シャッター操作はとても軽い

右側面のスライドスイッチがフィルム装填室のフタ用オープンスイッチとなる。適度なテンションがあり、撮影時は掌があたるものの誤操作の確立は極めて低そう

写真ではフィルム装填室のフタの開き具合が分かりやすいように、C11を天地逆としているので注意。スライドスイッチの操作によりフィルム装填室のフタが開く

開いたフィルム装填室のフタをしっかり開けきって、APS専用カートリッジフィルムを装填。入れる向きが決まっているが、形状から間違えることはないだろう

 
……ということで、粗方の操作方法はご理解いただけたことと思う。
あとは自由に撮影を楽しまれたらいいと思うのだが、やはりネックは専用のAPSフィルムが生産終了となっているため、フィルム確保と将来的にいつまで現像をラボに依頼できるのかといったところになるだろう。

現状で個人的に気になる点が1つ。
赤目軽減モードと夜間ポートレートモードのフラッシュ発光にどんな差があるのかというところ。
おそらく発光の強さが異なり、撮影時の効果に差が現れるのだろう。

 

そうそう、背面液晶表示部の右脇下側に巻き戻しスイッチがあることから、撮影途中でのフィルム交換が可能となる。
この機能は随時感度を調整できるデジタルカメラと違い、フィルムカメラとしては画期的な機能の1つだといえる。
撮影中に室内への移動などで光量が不足しても、感度の高い別のAPSフィルムに交換することで撮影を続行できるわけだ。
最後にスペックも記載しておくことにする。


Leica C11(2000年発売/当時の価格:3万7000円)

形式◎APS、オートフォーカスコンパクトカメラ
レンズ◎ASPH(7群7枚、非球面レンズ)
ズーム◎3倍
焦点距離/F値◎23mm/F4.8~70mm/F9.5(35mm換算:30mm~90mm)
撮影距離◎0.6m~∞
ファインダー◎実像式(AFエリア、近接補正枠)
AF方式◎赤外線アクティブ式
シャッタースピード◎1~1/600秒
セルフタイマー◎10秒間のカウントダウン方式、シャッターの切れる回数を1回、2回、3回と選択可能
露出および補正◎プログラムAE
連動範囲 (ISO200/23mm)◎オートモード:EV9.8~17EV、フラッシュ発光禁止:EV12.8~20EV
露出計測◎中央重点平均測光
ストロボ◎内蔵式
ストロボ制御◎マルチプログラムフラッシュ自動発光、強制発光、発光停止、赤目軽減機能、夜間ポートレートモード
ストロボ充電:約5.5秒
フイルム感度◎自動設定 ISO25~3200
フィルム送り◎オートローディング、自動巻き上げ・巻き戻し、途中巻き戻し
CHPセレクター◎縦横比変更、C(クラシックサイズ)/縦2:横3、H(ハイビジョンサイズ)/縦9:横16、P(パノラマサイズ)/縦1:横3
画面サイズ◎16.7×30.2
データ記録◎データ表示:内蔵されたデータ機能によって日付等を写真に記録
電池◎CR2×1(リチウム)
大きさ◎106×61.5×35mm
重量◎210g(電池別)
その他◎グリーンLEDで合焦と露出不足を警告