これまで何度も言ってきたことだが、ウインターシーズンの長時間&長距離走行では防寒対策が最重要項目の一つにあげられる。
寒風対策が万全でないと疲労蓄積により判断力が低下するほか、力が入ることで身体が強ばってしまいライディングにも支障が起きる。
寒さを感じやすい箇所といえば衿、袖、裾といった辺りだろう。
街着として通用するデザインかどうか？　……それがスクータリストにとって重要なポイントであることは理解できるが、走行時の防寒性と安全性においてはバイククロージング

メーカー製品に軍配があがることも知っておくべきだ。
経験値、蓄積されたデータ量、それにノウハウなどの面でいわゆるアパレルメーカーが太刀打ちできるものではない。
今回試したJKは寒風対策が万全なだけではなく、ゴアテックス(R)による防水&透湿性能も備えている点がミソ。
さらに脱着式インナーとのレイヤードタイプなので、3シーズン&オールウェザーに対応できる万能JKと言って差し支えないだろう。
しかも今回はショート丈を敢えて試

しているのだが、乗り手の動きを妨げず、そしてなによりも動きやすさでライディングを楽しいものへと印象づけてくれている。
じつは1年ぶりの伊勢志摩取材に向けクシタニから用意されたJKが「ゴアテックス(R)ショートジャケット」だったのだが、LML・Star200 4Sを駆ってワインディングでのスポーツライディングを楽しんだ際、この上ない一体感を味わうことができた。
車両のインプレッションについては別の機会に改めたいと思うのだが、LML（……というよりスクーター全般に言えることだが……）をワインディングで積極 的にスポーツライドするとなると、バンク角への不安（ケースの張出とタイヤのグリップ性能など）もあってリーンインを多用する必要がある。

秋冬JKを暖かさだけで判断すれば腰まで覆ってくれるようなロング丈のものがお勧めとなるのだが、ある程度スポーツライディングも楽しみたいとなると動きやすさの点でショート丈に武があるといえる。
リーンインのフォームを駆使し、車体を立てたままコーナリングすることから、乗り手はかなり激しく右へ、左へと姿勢を変えることになる。
そういった動きを妨げることもないし、体を動かすことによる発熱&

発汗もゴアテックス(R)の恩恵で効果的に放出されていることが実感できる。
それでも暑さを覚えるというならばベンチレーションを活用したり、インナーダウンを取り外してしまうこともできるのだ。
つまり乗り手の動きをしっかりとサポートしてくれるので、ライディングに集中……むしろ没頭できるレベルのJKなのである。
もう一つ「ショートゴアテックス(R)レザーグローブ」も試したが、こちらも素晴らしく出来の良いグ

ローブであった。
4st／200ccモデルはメーカー問わず振動の大きさが気になるものが多く存在するが、パッド類の厚みなど、効果的な装備により振動もほとんど気せずに長距離を走りきることができた。
しかも伊勢志摩の初日はかなりドシャ降りの悪天候であったにもかかわらず、しみ込むこともなく終始快適に走行することができた。
ツーリング中のワインディングでスポーツライディングも楽しみたいというならば、ぜひとも「ゴアテックス(R)ショートジャケット」と「ショートゴアテックス(R)レザーグローブ」を選んでみてほしい。
決して安いとは言えないが、期待を裏切ることは絶対にないと断言できる。

ゴアテックス(R)ショートジャケット

（K-2605/61,950円）
アウター素材◎表：ナイロン100％（オックス、ゴアテックス(R)ファブリクス2レイヤー/初期耐水圧45,000mm以上、透湿性20,000g/㎡/24h[平均値]）／脇：ナイロン100％（タッサー、ゴアテックス(R)ファブリクス2レイヤー）／裏：ポリエステル100％（メッシュ）
インナー素材◎表：ポリエステル100％、別布/ポリエステル100％（サイトス3レイヤー）／中綿：ダウン80％、フェザー20％／裏：ポリエステル100％
カラー◎ブラック、ブラック×シルバー
サイズ◎M、L、L/LL、LL、XL
問◎クシタニ（053-441-2516）

ショートゴアテックス(R)レザーグローブ

（K-5536/16,800円）
素材◎表：撥水牛革、合成皮革、タイタニュームα／ライナー：ゴアテックス(R)ライナー／裏ポリエステル100％（テトニット）
カラー◎ブラック
サイズ◎S、M、L、LL、XL
問◎クシタニ（053-441-2516）