呑みたいから伊勢に集結!? そんなのあり?

 

オトナ的宴会の勧め

ISEで飲もう

開催日:2012 / 11 / 17(土)~18 (日)

晴れればロケーションとワインディングが楽しいパールロード
晴れればロケーションとワインディングが楽しいパールロード

 

伊勢志摩を舞台とするスクーターライドアウト(=SKRO!)の取材経験から、彼の地の食とロケーションの素晴らしさは実感していた。
それもあってこの飲み会イベントのことはとても気になっていたのだが、残念ながらスケジュールが合わずに参加を断念。
それでも個人的に内容が気になるのと、伊勢志摩の良さを読者のみなさんにも垣間見てもらえたら……ということで、幹事役の早瀬さんにお話を伺った。
なお写真は早瀬さんのほか、vespa野郎さん(読者投稿の常連さん)からもご提供いただいた。

 


写真・情報提供:早瀬伸彦、vespa野郎
まとめ:Buono編集部

 

幹事紹介■
幹事◎早瀬伸彦さん(29歳/会社員)
免許歴◎13年
愛車◎ベスパ180SS、ランブレッタSX
現在、オリジナルコンディションの1台を物色中


基本情報■
【イベント基本情報】
集合◎伊勢神宮(11/17 13:00)
解散◎御座(11/18 昼過ぎ)
宿◎みち潮(http://www.michishio.co.jp)
伊勢エビの宴会付き(約1万3000円)

 

 

※ご存知の方も多いと思いますが、vespa野郎さんは2013年4月早々に急逝されました。謹んでお悔やみ申し上げます。

また当インタビューは2013年1月に行っているため、vespa野郎さんのお元気なようすも話題となっていることをご了解願います

 

さて、冒頭でも触れている通りなにやらとても魅惑的(これって自分だけ?)な突発的自然発生イベントについてご紹介しようと思う。
「ISEで飲もう」というストレートなタイトルがつけられ、ただただ集まって呑むことを目的としたイベント……いやいや、あくまで飲み会なんだそうだ。
しかも首謀者は東京と神奈川在住の3名だけに、何故の"わざわざ感"がついてまわる。
なのでその"わざわざ感"も含め、経緯から当日のようすなどを幹事役の早瀬(以下、早)さんから聞いてみることにする。
※これ以降はインタビューによる構成となる


関東組の何人かはフェリーを利用し、伊勢神宮を目指した
関東組の何人かはフェリーを利用し、伊勢神宮を目指した

■なんでまたこの飲み会をやってみようと思ったんですか? きっかけとかはあったんですか?

早◎きっかけはですね、小豆島で行われるビッグランブリングというイベントに参加した関東チームで打ち上げがあったんですよ。
関東チームといっても、そこは仲間内だけなんですけど。
で、それが8月の18だったか19だったか……なんですよ。
そこで呑んでいたときに「今年は伊勢(伊勢志摩で行われるSKRO! というイベント)がないんだって」という話から、「だったら行っちゃう?」みたいな流れになり、皆けっこう呑んでいたんでノリで決まってしまったんですよね。

初日の集合場所である伊勢神宮の駐車場脇に集結中
初日の集合場所である伊勢神宮の駐車場脇に集結中

そのとき9月はスクータリストアンセム(江ノ島で行われるイベント)があって、10月にはベスパブランチ(茨城県牛久市のシャトーカミヤで行われるベスパクラブのイベント)があるから、それなら「11月にするするか」といった本当に軽いノリだったんです。

■ではSKRO! がなかったことが大元の理由ではあるけれど、呑んでる勢いで決めちゃった感じということですね? そのときは何人くらいで話してたんですか?

雨の中、それでも参加者とスクーターがチラホラと……
雨の中、それでも参加者とスクーターがチラホラと……

早◎そのときは3人ですね。
自分以外の2人(vespa野郎さんと2310さん、ともに読者投稿の常連さん)と「行っちゃおうか!」みたいな流れで決めて、とりあえずスクータリストアンセムの終わった後に動き出そうということにしました。
その後、vespa野郎さんに頼まれてFacebookでページを作り、Twitterなどでぼちぼち発信していたら北川さん(SKRO! 主催の1人)から反応をいただいて、名古屋のほうにも声をかけてくれたんです。
そうこうしたら名古屋でも10人くらい集まりだし、そこから宿探しを始めました。
でも(宿探しが)ぜんぜんわからないので、けっこう何軒か電話したんですけどなかなか決まらなかったんですよ。

小降りになったら出発しようと天気待ち状態
小降りになったら出発しようと天気待ち状態

vespa野郎さんが見つけた宿も教えてもらったんですけど、そこはツーリング客歓迎みたいなところで電話をしてみたらもういっぱいだったんですよ。
そもそも宿を取ろうと思ったのが1ヶ月くらい前なので、ぜんぜん空いてないんですよね。
何人来るのかがわからなかったので予約できなかったんですけど、なんだかんだで20名くらい来るんじゃないかということで予約を始めて、人数もざっくりと伝えたんですよ。
あと北川さんも宿を教えてくれたんですけどそこもダメで、がんばって探してやっと見つかったのがみち潮だったんですよね。

……だが徐々に雨は強まり、肩を寄せ合い雨宿りする
……だが徐々に雨は強まり、肩を寄せ合い雨宿りする

それで電話してスクーターで行くと言ったら、どうやらバイクやスクーターに理解がある宿だったみたいなんですよ。
だからかもしれないですけど、駐車場を貸してくれたり屋根付きガレージに止めさせてくれたのかなって思います。

■それはかなり理解のある宿ですね。その段階で人数はどれくらい集まっていたんですか?

早◎一応タイムスケージュルみたいなものや名簿なんかを作ったんですよね。

なんだかさっきと似たカットだけど、こっちは早瀬さんの撮影。このランブレッタ×2台、違いってわかりますか?
なんだかさっきと似たカットだけど、こっちは早瀬さんの撮影。このランブレッタ×2台、違いってわかりますか?

ちゃんとしておかないとわからなくなっちゃうから。
本当は1日目に十分走りまわれたら、2日目の朝に解散でもいいなと思っていたんですよ。
あくまでイベントじゃないことを前提にしていたので。
それで関東圏からは7人で、名古屋が8人、大阪と三重がそれぞれ1人ずつ。
なんと総勢17名も参加してくれることになったんです。

■これといった目的みたいなものってあったんですか?

早◎タイトル通り飲み会なんで、「伊勢で美味いもの食べて飲めればいいや」みたいな感じで始まったんです。

初日はけっきょく集合場所から宿までの単純移動と化した
初日はけっきょく集合場所から宿までの単純移動と化した

だから目的は本当にそれだけ。
何度か行ったことのある伊勢志摩なのでロケーションもわかっていたし、どうせだから走りも満喫しちゃおうかといったノリですね。
当初は電車で行くのもありかなって思ってました。
それだと走れないですよね。
でも当初の目的は飲み会でしたから。
それが走ることも決まってきたから、「これはスクーターでで行かないと」という気持ちになったんです。

どしゃ降りのため、スクーターも積んだままで移動することに
どしゃ降りのため、スクーターも積んだままで移動することに

■幹事役としてはスクーターでないとカッコつかないぞということですか?

早◎はい。
ちなみに関東組で自走は2310くんだけだったんですよね。
vespa野郎さんは伊良湖岬までクルマに積んで来たし、ムッシーさんのところはクルマで直接現地まで。
あとけっこう宿の人が優しくて、1回宿に行って駐車場にクルマ置かせてもらえることになってたんですよ。
だから本当は宿にクルマを置いてから、バイクで集合場所まで行こうと思ってたんです。

宴会場入り口の歓迎看板。もはや団体名として認識!?
宴会場入り口の歓迎看板。もはや団体名として認識!?

じっさいボクは、雨でしたけどそうしたんですよ。
まあ、初日は朝着いたら天気が微妙だったんですけど、それでも雨は止むと思ってたんですよね。
だから宿に行ってバイクを下ろして伊勢神宮に向かったんですけど、どしゃ降りになってきちゃって……。
名古屋の人たちは直接(宿まで)行っちゃうって言ってたんですけど、やっぱり「伊勢神宮に行くわ」ってことになり、どしゃ降りの中をバイクとクルマで移動しました。
このとき、本当にけっこうなどしゃ降りだったんですよ。

オトナの飲み会に相応しい豪華伊勢海老の舟盛りが登場
オトナの飲み会に相応しい豪華伊勢海老の舟盛りが登場

それで(雨が)ユルくなったら出発しようということになりました。
事前にいくつか考えていたルートのうち、海岸線からパールロードに抜けて、そのまま宿に向かうルートです。
50kmあるかどうかってところですかね。
出発してすぐまたどしゃ降りで、42号線だったんですけど何度か休憩して、もうカッパの中まで浸透してました。
ただ、この海岸線からパールロードへ抜けるのは、晴れていたら超気持ちいいルートなんですよね。

幹事役の早瀬さん(中央)による乾杯の音頭
幹事役の早瀬さん(中央)による乾杯の音頭

本当はパールロードの途中に展望台があって、そこで休憩したかったんですけど、どしゃ降りだったんで後半は宿までノンストップで移動でした。

■すると移動時間はざっくり2時間くらいな感じですかね?

早◎そうですね。
ちょうどチェックインに間に合うくらいのタイミングでした。
晴れていれば展望台で時間調整しようと思っていたんですけど、そんな余裕もなく、それでもタイミングよく到着できたのでよかったです。

ずらり参加者も着席し、いよいよ大宴会がスタート
ずらり参加者も着席し、いよいよ大宴会がスタート

■天候の影響はあったでしょうけど、けっきょく初日は集合場所から宿への移動だけだったってことですか?

早◎そうなんです。
晴れていればチェックイン後にフリータイムというのも考えていたんですよ。
宴会までに帰って来てくれれば、好きに走りに行ってもらってかまわないという感じで……。
けっきょくは風呂に入って宴会を待つ感じになっちゃいましたけどね。

豪勢な舟盛りに舌鼓を打ちながら大宴会は進む
豪勢な舟盛りに舌鼓を打ちながら大宴会は進む

■ある意味で本題の宴会ですけど、2次会3次会と続いたんですか?

早◎1次会だけで終わって、後はそれぞれ部屋ごとでですね。
ボクは部屋間をちょこちょこ移動してましたけど、ほかの方は腰据えて呑んでいるという感じでした。
それと、けっこう疲れていたらしく、寝ちゃう人もいたりとかしました。

■では初日の夜はなんとなくフェードアウトで終わり、2日目の朝は朝食からスタートといったところですか?

舟盛りのほか、各テーブルもゴージャス!
舟盛りのほか、各テーブルもゴージャス!

早◎朝は有志の早朝RUNなどもなかったので、朝食までのんびりでした。
みんなクルマに(スクーターを)積みっぱなしのままだったので、朝から走るというのは考えていなかったんだと思います。

■2日間を通して、なにかイベント的なことはやられたんですか?

早◎宴会のとき、プレゼント交換をしました。
よくベスパクラブのイベントでやる方式で、くじみたいに引いた紙の番号が同じ人同士で交換し合うというスタイルです。

各々が1品持ちより、くじで同じ数字を引き当てた者同士……
各々が1品持ちより、くじで同じ数字を引き当てた者同士……

みんなが持ち寄ったものはステッカーとか小物パーツが多かったんですけど、カシラプロダクトの加藤さんはヘルメットを持ってきてくれました。

■それでは2日目の話を聞かせてください。朝から晴天のなかゆったりと食事を取った後、宿前で集合写真を撮ったんですよね。それからどうしたんですか?

早◎2日目のコースはぜんぜん決めてなくて、宴会のときにちょっと2310くんとかと話しながら、地図を広げてどこまで行こうかという作戦会議をやってたんですよ。

……でプレゼント交換。皆、手にしたプレゼントで一喜一憂
……でプレゼント交換。皆、手にしたプレゼントで一喜一憂

宿は千鳥ヶ浜のあたりだったので、そのままパールドロードを走って突端まで行っちゃおうかということになりました。
なので翌日は全員で走ることを想定しました。
そこそこ走れるコースなのはわかっていたので「まあいっか、突端まで行こう」となり、ちょうど天気もよくて走りがいのあるコースだったのがよかったです。

■突端というと御座ですよね。260号線も走りやすく、気持ちいいルートでしたよね?

デザイナーのきみどりさんが特別に製作してくれたペナント
デザイナーのきみどりさんが特別に製作してくれたペナント

早◎そうなんですよ。
でも昼くらいに着いちゃいました。
それで人数も多いから食事も大変じゃないですか。
なのでその場で解散とし、各自適当に帰ってくれということにしました。
それと、宿のご好意で2日目も宿の駐車場を貸してもらえたんです。
最初は駐車場をどうするか気になっていたんですよ。
ほとんどの方がクルマに積んできてましたから、スクーターを下ろした後のクルマをどうするかということですけど……。

雨も上がった2日目の朝。宿の部屋から見た駐車場のようす
雨も上がった2日目の朝。宿の部屋から見た駐車場のようす

それで宿の人に聞いたら2日目もいいですよと言ってくださったんで、端のほうに寄せる感じでクルマを置かせてもらうことができました。
なかなか駐車場とかなかったんで、そこに夕方くらいまで止めさせてもらえたのは本当に助かりました。
それもあってお土産くらいは宿で買いましたけどね。

■それでは酒と食と走りを存分に堪能し、大満足で終えることができたということですね?

まだ朝も早く、RUN準備はこれからといった状況
まだ朝も早く、RUN準備はこれからといった状況

早◎そうです、そんな感じです。
なかなかおもしろかったですよ。
とくに事故もなく終了できたので、それもよかったです。
事故があったりすると、もう宴会どころじゃないですからね。
そんなわけで、大人な飲み会ツーリングは大成功でした。

■いま振返ってみて感じたことなどありますか?

早◎そうですね……今回、vespa野郎さんの行き方がありなのかなって思いましたね。

初日が雨だったので2輪組に宿がガレージを用意してくれた
初日が雨だったので2輪組に宿がガレージを用意してくれた

伊良湖岬までクルマで行って、スクーターを下ろしてそこからスクーターで鳥羽へ渡る方法です。
これだとフェリー料金も安く済みますし、伊勢志摩ではフットワークがいいですからね。

■なるほど。やっぱり伊勢志摩の抜群なロケーションを知っていると、どうせならスクーターで走りたいって思いますよね。でも最近の、いわゆる普通のスクータ-乗りはツーリングに無関心という気がしてなりません。

横積みされたルーミー・フォルミキーノ! 本当にレア!!
横積みされたルーミー・フォルミキーノ! 本当にレア!!

早◎たしかに少ないし、あまり見かけないですよね。
ベスパクラブなんかだとイベントに行くという目的で自走する機会もありますけど、ボクもそんなにツーリングというと行かないですよ。
でもこうして走るといいもんですよね。
ただツーリングは行ったら行ったでおもしろいと思うんですけど、そういう気になるかが問題じゃないですかね。
ベスパやランブレッタは注目されることが多いですから、そういうのも気分がいいので出かけようかなという気になりますよ。

徐々に駐車場でスクーターを下ろすシーンが目につく
徐々に駐車場でスクーターを下ろすシーンが目につく

ちょうどこのときにシトロエンのSMがけっこういて、そのうちの1台と昨秋のベスパ&ランブレッタRUN(毎秋行われるベスパクラブのRUNイベント)のときに会ったんです。
オーナーさんもその場にいたので「伊勢にいました?」って聞いてみたところ、クラブのツーリングだかなんだかでいたって言うんですよ。
そういうのもなかなかおもしろいつながりですよね。
こういうことがあるから、やっぱり行ったもの勝ちだなって思いましたね。

 


……そう話してくれた幹事役の早瀬さん。
今回はアルコール摂取を前提としていただけに、1泊で開催されたこの飲み会。
宴会自体はとても豪華な伊勢海老の舟盛り付きで、まさにオトナに相応しい内容。
さらにプレゼント交換会も行われ、皆が満足の飲み会だったようだ。
加えて翌日は晴天の下、気持ちよくRUNも楽しみ無事に解散。
「ぜひまたやりたいです!」とは早瀬さんの弁。
気負いなくユルく、そして"わざわざ"伊勢志摩まで宴会をしに行くという行為に、なぜだかとても魅力を感じてしまったのは"彼の地の食とロケーションの素晴らしさ"をまた味わってみたいから。
それに集まったメンバーを見ると、(東京から)西のイベントに参加することで会える方というのもずいぶん多く、それがまた懐かしくもあるから。
もしも次の機会があるとしたら、そのときはなんとかスケジュールをやり繰りして、ぜひとも参加の方向で考えたいものである。